2024年06月18日(火)
こんにちは、マスオ建築士のLakkeの金内です。今回は、多くのご家庭で直面する「実家をリノベーションした方がいいのか、それとも建て替えたほうがいいのか」というお悩みに対し、新築、リノベーションを両方扱う建築士の視点からアドバイスをご提供したいと思います。特に「二世帯リノベーション」「実家リノベーション」「省エネリノベーション」に焦点を当てて、それぞれの特徴とポイントを比較してみましょう。
コストの削減: 新築に比べて費用を抑えることができ、「実家リノベーション」を選択することは、資金面での負担が軽減されます。
工期の短縮:新築に比べて工期が短く、仮住まいの期間も短縮できる点が魅力です。
間取りの自由度: リノベーションは新しいライフスタイルや家族構成に合わせて間取りを変更できるため、「二世帯リノベーション」としてもクライアントの満足度が高くなります。
問題の発見と対策: 一度骨組みまであらわしにすることで、雨漏りやシロアリなどの築古な建物が抱えるトラブルリスクが明らかになり、対策をしっかりと行うことができます。
カーボンニュートラル: 「省エネリノベーション」として環境にやさしい選択肢でもあります。マンションの事例ではカーボンニュートラルに向けて76%の削減が達成されたというデータもあります。
構造の問題:建物自体の歪みや傾きは、完全には修正できない場合があります。
見た目:リノベーションによって新築のような見た目にすることは可能ですが、必ずしもそうならない場合もあります。
床の段差:既存の構造に依存するため、床の段差などの問題を完全に解消できないことがあります。
耐震補強:古い建物の場合、耐震性能が現行の基準を満たしていないことが多いため、耐震補強を行うことが重要です。
耐震診断:専門家による耐震診断を受け、必要な補強箇所を特定し、計画に組み込みます。
断熱材の導入: 壁や天井、床下に断熱材を追加することで、家全体の断熱性能を向上させます。
窓の交換: 断熱性能の高い窓に交換することで、エネルギー効率が向上し、快適な室内環境を実現します。
東京都の施策:東京都は脱CO2の施策に力を入れており、「省エネリノベーション」に対する多額の補助金が利用できます。断熱工事やサッシの入れ替え工事などが対象です。
リノベーションの優位性:リノベーション工事の方が補助金額を多額に受け取ることが可能です。
自由な設計:土地の形状や環境に合わせて一から設計できるため、自由度が高い。家族のライフスタイルや将来のニーズに合わせた間取りやデザインが可能です。
最新技術の導入: 最新の設計基準や技術を導入できるため、耐震性や省エネ性能が高い。将来的なメンテナンスコストも抑えられます。
建築コストの高騰: 建築費が数年前に比べて2、3割アップしているため、建て替えのコストが高額になる傾向があります。材料費や人件費の上昇が主な原因です。
補助金の制約: 建て替えの場合、太陽光発電の搭載などZEH(ゼロエネルギーハウス)以上の性能が求められるため、補助金の受け取り条件が厳しいです。
長期間の仮住まい: 建て替え期間中は仮住まいが必要になり、引っ越しの手間も増えます。
手続きの複雑さ: 解体や新築の許可が必要で、手続きが煩雑になります。
背景: 築30年の木造住宅。間取り変更の希望があり、冬は寒く夏は暑い状態でした。
リノベーション内容: 耐震補強工事を実施し、断熱材を追加。窓を断熱性能の高いものに交換。床の段差を極力解消し、バリアフリー化。骨組みまであらわしにして雨漏りやシロアリの対策も実施。
結果:希望だった中庭が実現、耐震性が向上した上にエネルギー効率が改善。快適な住環境が実現し、光熱費も削減されました。
背景: 両親との同居を前提に、築35年の実家をリノベーション。空間の有効活用と快適性を重視しました。
リノベーション内容: 間取りを変更し、親世帯と子世帯が快適に暮らせるスペースを確保。耐震補強と断熱工事を実施。骨組みまであらわしにして雨漏りやシロアリの対策も実施。
結果: 両世帯が快適に暮らせる二世帯住宅が完成。家事分担をうまく協力し合える間取りで、安全性とエネルギー効率も大幅に向上しました。
背景: 築35年の木造住宅。二世帯住宅にするために間取り変更の希望があり、敷地内に自動車を駐車できるスペースが欲しいという要望がありました。
建て替え内容: 玄関位置を二世帯で完全に分けることにしました。また車庫スペースを確保し上部をバルコニーとして敷地を最大限に活用。さらにロフトスペースを新設し、狭くなりがちなプライベートゾーンをしっかりと確保しました。
結果:リノベーションでは、金融機関からの借り入れができなかった案件でしたが、建て替えることで低金利の住宅ローンを活用することができ、資金計画もお得に進めることができました。
表面的な改修: 内装や外装の一部を新しくするなど、表面的な改修が中心。間取りの変更は行わないことが一般的です。そのためライフスタイルが変わる場合には、使いにくい間取りのままです。
コストが低い: リノベーションに比べて費用が抑えられ、工期も短い。
構造からの改修:既存の建物の構造を変更し、新しいライフスタイルに合わせた設計・工事を行います。
間取りの変更: 家族構成やライフスタイルに合わせて間取りを自由に変更できるため、「二世帯リノベーション」「実家リノベーション」としてもクライアントの満足度が高くなります。
コストを抑えつつ新築同様の快適性を実現。
耐震補強と断熱工事は必須。
省エネルギー化のための補助金が多額に受け取れる。
新しいライフスタイルや家族構成に合わせた間取りの変更が可能。
雨漏りやシロアリなどのトラブルリスクに対しても対策が可能。
環境にやさしく、カーボンニュートラルにも寄与。
自由な設計と最新の技術導入が可能。
高コストと長期間の仮住まいが必要。
建築費の高騰により、以前よりもコストが高くなっている
「マスオ建築士」同居歴は22年目に突入!
株式会社Lakke 金内浩之
一級建築士
宅地建物取引士
木造住宅診断士
住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー
相続診断士(一般社団法人 相続診断協会認定)
伝統再築士
将来同居するかもしれない未来のサザエさん・マスオさんへ
イ・ロ・ハ・二世帯 by Lakke
のべ400棟以上を設計、自身も20年以上同居するマスオ一級建築士が考える二世帯同居のヒントを掲載中