2023年11月13日(月)
二世帯住宅について検索する時、「二世帯 ストレス」「二世帯 デメリットだらけ」と言ったネガティブな言葉が出てくるのを、いつも残念な気持ちで見ています。
具体的なデメリットには共有スペースの使用が制限される、それぞれ生活への干渉や生活音などがありますが、実は始めに工夫した方法で間取りを決めていくことで、これらのデメリットを減らせる場合が多いのです。
こんにちは、練馬区Lakke(ラッケ)のマスオ建築士の金内 浩之です。これまで22年にわたり妻の両親と二世帯で同居しながら、のべ100棟以上の二世帯住宅づくりのお手伝いをしてきました。
これまで二世帯住宅を建てて、また住んで分かったのは、二世帯住宅成功の鍵は、建てる時の始めの一歩にあることでした。そこで今回は、実体験にもとづく二世帯住宅を建てる時の最初の必勝ポイントをご紹介します。
例えば、玄関を分けるかどうか、両世帯が一緒に打ち合わせをした場合「リビングが狭くなるし、キッチンとお風呂は別だから玄関は一緒でいいね」と決まったとします。「どうしても玄関を分けたい」と家族の誰か一人が心の中で思っていても、実際には反対意見をなかなかいい出せないのが現実です。この不満を抱えたまま計画を進めてしまうと、取り返しのつかないデメリットだらけの家になってしまいます。
こうならないためには、間取りを決めるスタートの段階から別々で打ち合わせをして、それぞれの希望を伝えることがとても重要です。両世帯が集まっている場では、言い出しにくい希望もありますので、そこを上手く建築会社に汲み取ってもらうことがポイントです。
二世帯住宅の検討では、親御さんがやる気になってくださるかどうかが今後を大きく左右します。新しい間取りを考える最初の段階で、お母様のお気に入りのお皿を飾れる、おじいちゃんの麻雀道具をしまえるなど、ウキウキ楽しい気分になる間取りエリアを作ってみるのはいかがでしょうか。
そして、できれば仲の良い兄弟や設計者など、その二世帯住宅には住まない第三者の力を借りて、普段は伝えにくい「一緒に住んでくれてありがとう」の気持ちを少しずつ伝えられるとベストです。
二世帯住宅で住み始めた時に起こりやすい悩みやトラブル、そして、ご家族が見逃しがちな危険予兆がある箇所について、一度早い段階で考えてみましょう。
二世帯住宅の良いところや悪いところは、実際に住んでみた人にしか分かりません。今はWebサイトやブログなどでも二世帯経験者のコメントやアドバイスを見ることができます。また、設計者が二世帯住宅を多数建てている場合は、実際のお客様の事例を数多く聞かせてくれるはずです。
二世帯住宅ではたまに交流は望むけれどプライバシーも必要という複雑な条件が多く、相反する要素を、間取りでどう解消するかが鍵になります。また、希望の優先順位を整理しながら優先順位をつけて、間取りの中で”やらないコト”を決めていくのが、皆の望みをかなえる重要なステップです。
この時、決断を促すリーダー役になる方は決まりやすいのですが、妥協点を見出して最終的な間取りをどうするのか、世帯間の調整役ができる人を置くのを忘れがちです。
ご家族の中での調整が特に難しい場合は、建築会社の設計者がその調整役を担ってくれると打ち合わせがスムーズに進みます。
実際に二世帯で住んでみると、最初はデメリットと感じることも正直ありました。でも22年暮らして振り返ると、今はそれがメリットに変わったと思えることもあります。
例えば、テレビの番組。最初はお笑い番組や海外のサッカーがつかないテレビを少し寂しく感じましたが、妻の母の影響で歌舞伎や外国の旅番組の楽しさに目覚めました。今では歌舞伎も海外旅行にもすっかりはまっています。
これから二世帯住宅の検討を始める場合は、こんな必勝ポイントを参考に家づくりを始めてみてくださいね。幸せなご家族やマスオさんが一人でも増えるのが、何よりの願いです。
「マスオ建築士」同居歴は22年目に突入!
株式会社Lakke 金内浩之
一級建築士
宅地建物取引士
木造住宅診断士
住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー
相続診断士(一般社団法人 相続診断協会認定)
伝統再築士
将来同居するかもしれない未来のサザエさん・マスオさんへ
イ・ロ・ハ・二世帯 by Lakke
のべ400棟以上を設計、自身も20年以上同居するマスオ一級建築士が考える二世帯同居のヒントを掲載中