2023年12月04日(月)
いざ、古くなった実家を建て替える、もしくはリフォームをしようと思ったのに工事ができない…ということがあるのでしょうか。
実は、実家の所有者である親御さんの健康状態が、家の工事に大きく影響することがあります。
例えば親御さんが認知症にかかられた場合には、ご家族であってもその家の処分(売却など)や建て替えなどはできなくなってしまいます。
そうなった時に困らないよう、実家に対してどのような準備や対策が必要なのでしょうか。
新しい国民病と言われるようになった認知症。2025年には675万人、5人に2人が発症する可能性があるそうです(厚労省発表)。そんな認知症が実家に影響を与えるリスクはあるのか、マスオ一級建築士と相続診断士の視点の両方から考えてみます。
さっそくですが、「実家・リフォーム」で何を思い浮かべますか?
などがあるかと思います。
こんなことも思い浮かべますよね。
など、実家を工事する時のお悩みや課題がご家族それぞれにおありです。
しかし、実家を工事する場合の問題点はこれらだけではありません。
冒頭にご紹介したように、実家を工事をしたい時にできないケースがある。
これには親御さんの健康状態が影響しています。
そもそも親御さんが住みやすいように家を工事しようと考えているのにできない、というのはなぜなのでしょうか。
万が一、ご家族が認知症になってしまった仮定で考えてみます。
現在、家で介護が必要な方や在宅介護を受けている方は413万人おられます。(公財生命保険文化センター調べ)
また、認知症の方の数は2020年では602万人でしたが、2025年には675万人で5人に2人が発症する可能性があると言われています。(厚生労働省研究班発表資料による)
その場合には、実家をリフォームする場合の別のリスクとして
が考えられます。
いざこうなった時、どのように対応すれば良いでしょうか。
特に情報がない場合には、
などの手段が考えられます。
この手段で解決しようとした時、❶~❸の各リスク単体では最適になるかもしれません。しかし、実家の将来を全体で俯瞰しながら最も良い解決策を見つけられるのか、という点では心配が残ります。
木を見て森を見ず
という状況にならないように注意が必要です。
認知症を発症した方は、法律用語で言うところの「制限行為能力者」とみなされ「意思能力がない」と判断されてしまいます。
具体的には、以下のことが起こりえます。
預金が引き出せないだけでなく、不動産を売却できないとなると、住み替えなどの計画もできません。
また、住宅ローンを組む場合、その土地の所有者さんに承諾印をもらうのですが、承諾する能力がないと判断され、ローンを組むこともできません。
遺産分割協議ができなくなると言うことは、相続対策をできなくなること示していて
ということになってしまいます。
では、どうするのが良いでしょうか。
対応策の具体例として3点ほどご紹介します。
家族信託と任意後見は、ご本人の判断能力がしっかりしている間でないと適用できません。大切なことはご家族にとって何が最適なのか、親御さまの想いに寄り添いながら実家の将来を決めていくことが重要かと考えます。
例えば、相続診断士はご家族にとって何が全体最適になるのかバランスをとりながら、各専門家チームをまとめていく役割なのですが、何がベストな計画なのかをご家族と一緒になって進めていきます。まさに家づくりと同じ工程です。間取り、設備の仕様、インテリア、予算などさまざまな要素を組み合わせて、そのご家族にとっての全体最適を一緒に探します。
と言う状況にならないよう、実家の将来を考えるなら今から準備できることを少しずつ進めてみてはいかがでしょうか。
実家にもご家族の感情に配慮した最適な対策を施し、人生100年時代を楽しみましょう。
「マスオ建築士」同居歴は22年目に突入!
株式会社Lakke 金内浩之
一級建築士
宅地建物取引士
木造住宅診断士
住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー
相続診断士(一般社団法人 相続診断協会認定)
伝統再築士
将来同居するかもしれない未来のサザエさん・マスオさんへ
イ・ロ・ハ・二世帯 by Lakke
のべ400棟以上を設計、自身も20年以上同居するマスオ一級建築士が考える二世帯同居のヒントを掲載中