2022年02月22日(火)
2022年からLakkeの広報担当になりました、同居歴20年薬剤師のdohkyon🏠です。マスオ一級建築士で代表の金内 浩之とともに、二世帯や同居、家族との暮らし方にまつわる情報をブログで発信しています。
この1月、2月に両親が誕生日を迎え、自身の父親、母親がいよいよ後期高齢者になりました。両親が75歳の年齢になった今、強く感じたのは「今の環境で変わらず“元気で長生き”してほしい」ということでした。“元気で長生き”するためには、毎日の多くの時間を過ごす家の暮らしやすさも欠かせません。
そこで今回は、これまでLakkeがお手伝いした家づくりの中から、“元気で長生き”につながるヒントがあったリノベーション事例をご紹介します。2020年に娘さん達と一緒にリノベーションされた90歳Sおばあちゃま宅にうかがい、ひとり暮らしのシニア世代から見た暮らしやすさとリノベーションして良かった点をお聞きしました。
S様がお住まいの練馬区のエリアは、昭和35年に10数棟の戸建てが売り出された地域です。まわりには古くからのお知り合いが多く、普段ひとり暮らしのS様も安心して暮らしています。65年前に建てられたご自宅は長い間の思い出がたくさんつまった、まさに『歴史ある家』。「この家には歴史があるのよー」と、はつらつと笑うSおばあちゃまの優しい笑顔から、大切に住まれた家への温かい愛情を感じます。
リノベーションをリードしたのは、時々泊まりに来られる娘さんのY様でした。数年前にSおばあちゃまがひとり暮らしになったことがきっかけで、より快適に住めるお家にしてあげたいとご家族が思い立ちプロジェクトがスタートしました。思い出深いご自宅で”残せるものは残す”リノベーションにしたい、とのご希望から「身近に感じられて何でも相談できるプロフェッショナル」を探され、Lakkeに依頼いただきました。
いざ改装を始めてみると仮住まいと片づけはハードルが高く、特に仮住まいの家探しに苦労されました。あいにく家探しを始めたのタイミングは空き物件がほとんどうまる時期にさしかかっていましたが、「たまたま古いマンションが見つかったので本当にラッキーでした」とY様。仮住まいのマンションは少し色目が落ち着いた家だったので、リノベーション後のご自宅に入られた時には白い壁紙でぱーっと景色が明るくなったと感じたそうです。
こうして進んだリノベーションプロジェクトは、約4か月で改装を完了。雨もりや暑さの心配から天窓がつけられなかったのは残念でしたが、「希望したことはほぼ叶いました」とY様。リノベーションが成功したのは、ご家族が大変な準備や作業を受け入れ、一緒に良い家にしていこうと積極的に取り組んでくださったからでした。暖かくて住みやすい新しいお家で、Sおばあちゃまは大好きな麻雀を近所のお友達とわいわい楽しめる日が来るのを心待ちにされています。
・シニアひとり暮らしリノベーションでは、昔の思い出を感じられる部分は残しつつ、新たにお気に入りスペースを1か所作ることがポイント
・建物が古く図面がない家でも、建築士監修のもと耐震性を保って大幅な間取り変更ができる
今回のリノベーションでは、テレビのリノベーション番組をよく見ていた娘さんY様が屋根裏を残して見せるスタイルを提案されました。以前の家の梁が見えるリビングは、お客様が来ると「いいわねー、このお部屋」と言われるご自慢の場所に生まれ変わりました。リビング奥の特等席は、Sおばあちゃまの新しいお気に入りスペースです。思い切って間取りを変更して、使っていなかった書斎や廊下の壁をとり除きました。おかげでこの特等席に座っただけで、昔の家の雰囲気も思い出しながら窓の外や玄関まで、家全体をよく見渡すことができるようになりました。
・シニアひとり暮らしリノベーションでは段差をなくすだけでなく、つかんで支えられるツールを多く設置する工夫を
寝室には、元あった柱から作られたタテ格子の造作壁があります。Y様から「今の家の柱を有効活用して何かに残せないかしら」とアイデアが出され、寝室の壁に格子としてはめ込まれました。お部屋の雰囲気の良いアクセントになっているのはもちろんですが、「あのタテ格子、いつもベッドから立つ時に”つかめる”からとっても便利なの」と実用性が高いことも良かったそうです。これまでSおばあちゃまはベッドを使ったことがなく、エアコンなしの和室に布団をしいて寝ていました。夜中には3回くらいトイレに起きるので、寝起きの手間も少なくありません。リノベーションしたことで毎晩ふわふわのベッドで暖かく眠れて、起きる時はタテ格子をつかんで楽々立てる、そんな快適な夜時間を過ごせるようになりました。
・シニアひとり暮らしでは、毎日使うお風呂のリノベーションでお値段以上の満足度を実現
Sおばあちゃまは東京の新橋で戦前のお生まれ。子どもの頃に使っていた初代の五右衛門風呂から始まり、お風呂屋さんが作った木製風呂、昭和タイプの深いステンレス風呂を経て、今回新しくしたシステムユニットバスが4代目のお風呂です。ひとつ前のステンレスのお風呂は深くて入るのが大変だったため、リノベーションした暖かいバスルームも大好きな場所になりました。少し浅めの湯船にはたっぷりのお湯が必要ですが、窓から外が見えるのが気持ち良く、いつも昼間に青空を眺めてバスタイムを楽しむそうです。
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イ・ロ・ハ・二世帯 by Lakke
のべ400棟以上を設計、自身も20年以上同居するマスオ一級建築士が考える二世帯同居のヒントを掲載中。
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